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6年生の授業で
「スコップ・クリエーティブ・コース」を導入
奈良 近畿大学附属小学校
【インタビュー】

インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」

「スコップ・クリエーティブ・コース」とは、表面的なトレンドや、バズワードとしての「探究」や「創造」ではなく、予測不可能な時代を生きていくために不可欠なスキルを学ぶプログラムです。領域横断型で、いろいろな教科での導入が可能で、各地の私立小学校にも導入いただいています。今回は奈良県奈良市・近畿大学附属小学校の福嵜将樹先生にインタビュー。導入の経緯、実際の授業をしてみての感想などを伺いました。

プロフィール

プロフィール|インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
福嵜 将樹 先生
(近畿大学附属小学校 教諭)
鹿児島県出身。公立小学校勤務を経て、2014年から近畿大学附属小学校で勤務。教員歴 18年。
同校の教育研究部に所属し、「令和の近小型教育の創造」として、子どもの学習意欲をどのように高めていけばよいか「手立て」と「評価」の面から研究を進めている。「ICTで生活科」(フレーベル館)にて授業実践例を提供。
プロフィール|インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
〈聞き手〉 山本 敦之
(育伸社 学校関東営業所)
育伸社で営業一筋20年。
茨城営業所(9年)→仙台営業所(4年)→茨城営業所(2年)→学校関東営業所(5年)→現在に至る。
全国の私立学校を訪問する営業の傍ら、「自立」をテーマにした生徒向け進路講話などを行っている。

近畿大学附属小学校について

「実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神とする近畿大学の附属小学校。1954年の創設当時からこの建学の精神を受け、「本物から学ぶ」ことを大切にしている。実地に学ぶことを通して子どもたちの興味・関心を高め、友達と知る喜びを共有しながら、自ら調べたり考えたりすることを重視している。校訓は「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人になろう」。ICTを活用した先進校として、2021年にApple Distinguished School に認定。

【近畿大学附属小学校】
奈良県奈良市あやめ池北 1-33-3
https://www.fes-kinder.kindai.ac.jp/fes/

SCCは小学6年生の「総合的な学習」の
時間で展開!
自校の持続可能な
独自カリキュラムに活用。

山本 敦之
(以下 山本)
福嵜先生には6年生の授業でスコップ・クリエーティブ・コース(以下 SCC)を導入いただきました。「新聞建築」のプログラムでした。
福嵜 将樹 先生
(以下 福嵜)
はい。6年生の4クラスで夏休み明けから実施しています。
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
山本
導入のきっかけは何だったんでしょうか?
福嵜
学校全体で「総合的な学習」をどう展開していくかを再考している時期でして、本校は大学の附属校で大学との連携プログラムはたくさんあって、いろいろな経験ができるが、単発で終わってしまうことが多く、どのように持続可能な独自のカリキュラムを考えていけばいいのか、課題感を持っていました。
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山本
そこにSCCに話があったということですね?
福嵜
はい。「探究の入り口」とか「型を身につける」とか、心に刺さるワードがいっぱいあって、総合的な学習をどう進めようかと悩んでいたところに、ピッタリきたという感じでした。

SCCのプログラムにプレゼン学習を
加えるアレンジ。
子どもの
「クリエーティブな発想や思考」に関心!

山本
「新聞建築」のプログラムを実施してみていかがでしたか?
福嵜
建物には骨組みがあって、強い構造にするにはどのように組めば良いのか?実際に新聞を使って試していく授業で、6年生の子どもたちも楽しんでいました。図工と総合とプレゼンの要素も入れたので、それぞれ得意分野で活躍できたのではないかと思います。手先は器用ではないけど、すごいアイデアが出せる子がいたり、プレゼンのための写真を撮ったり、誰かが苦手なところは誰かがフォローしたりするような感じです。新聞建築というシンプルなもので、6年生にはハードルが高くなく、それが逆に普段の授業で前に出てこない子たちも「これなら」と思ったのかもしれません。私が担当している理科の授業では見られない姿を見ることができました。課題やその面白さ、自由な感じが子どもたちにすごく良かったんだと思います。
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
山本
役割分担がなされていったわけですね。
福嵜
加えて、子どもたちのクリエーティビティにも感心しました。土台の骨組みの本数を動画の説明どおりに作らずに自分たちで工夫する班がありました。本来4本必要なところを、「3本でもできる!」と気づいた子もいれば、5本使って五角形の土台を採用した班もありました。こちらとしては、そういった彼らの姿勢を受け入れてあげるというところもすごく大事だなと感じます。
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
山本
福嵜先生ご自身はどのように関わったんですか?
福嵜
私自身も普段の授業とは違う感じでいこうと思っていました。自分で授業を引っ張らず、進行は動画に任せていました。子どもたちと一緒にプログラムに参加するような感じでした。私からはなるべく指示をせずに進めることを意識しました。だから、いつもの授業とは雰囲気が違ったのかもしれません。事前の準備としては動画を確認したくらいです。
山本
その中で、アレンジした部分もあったと聞きました。
福嵜
4時間の授業を5時間で実施しました。もともとのプログラムの4時間に、「プレゼン」をテーマにした授業を加えました。自分たちが造った家を発表する活動が元のプログラムに含まれていたので、そこでプレゼンの仕方やスライドのデザインとかを私自身が子どもたちに教えました。普段から、どこかのタイミングでプレゼンに関する授業を取り入れたいなと思っていたので良い機会になりましたね。1時間のなかでスライドを作成し、改善を進めていくという流れで進めました。
山本
今回の「新聞建築」を通してやってきたことを、ちゃんと整えてプレゼンする練習というのは子どもたちにとって本当にいい練習になるだろうなと思います。

子どもたちの反応は予想以上!
学びの主体性は、
楽しいという感情から派生する。

山本
SCCを導入してみて、当初の期待どおりでしたか?
福嵜
子どもたちの反応は予想以上でしたね。SCCの授業を終えた後、子どもたちに「どんな力がついたと思いますか」と聞いたんです。私は「協力」が多いと思っていたんですが、その他にも「意見交換」や「決断力」「臨機応変」など結構いろんな言葉が出てきました。
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山本
さすが6年生ですね。
福嵜
子どもたちのなかで学びを振り返った時にいろいろな実感があったんだと思います。普段から「主体的に」というのは子どもたちに伝えていますが、今回SCCの授業を通じて、楽しいというところから子どもたちの主体性が生まれるんだなと感じました。自分たちの中からアイデアが湧いてくるとか、その経験はこれからも役に立っていくんだと思います。

SCCによって授業を運営する自分の
余裕が生まれた。
授業デザインには、
「余裕」や「余白」は必要!

山本
現在、SCCの授業は福嵜先生だけが実施されています。周囲の先生方の反応などはありますか?
福嵜
他の先生たちにも授業を見に来てもらっています。廊下を通りがかった教員が教室に入ってくるということもありますね。子どもたちも自分たちがやっていることを何とか伝えたくて、一生懸命先生たちに説明していました。
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
山本
子どもたちが授業の楽しさを先生たちに説明するって、なかなかない光景かもしれませんね。
福嵜
そうですね。同僚たちとは、「新聞建築」以外のプログラムだったらこうしようとか、「新聞建築」も他の学年で実施したらどうなるだろう?などと話したりもしていますよ。
山本
SCCを実施するに当たって、先生側が気を付けるべきことはありますか?
福嵜
教員側の余裕も大事かなと思います。今回、授業内での指示などは動画がしてくれたことで、私自身余裕が生まれました。動画を見ながら子どもたちは動いていくので、こちらは余裕を持って子どもたちの考えやアイデアを受け入れることができたと思います。通常の授業をデザインする際もその「余裕」や「余白」は大事なんだと感じます。
山本
その余白は、一般の授業だとなかなか作りにくいものなんですか?
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
福嵜
はい。だからこそ、私たちに問われているところかなと思っています。

SCCをまずは使ってみてほしい。
やれば、分かります!
先生たちの考えや
想いで、探究の活用方法が広がるはず。

山本
最後にSCCの導入を検討している他校の先生たちに一言いただけますか?
福嵜
元々パッケージがあるものをアレンジしたりするのは、先生たち得意だと思います。何にもないところから何かを生み出すのはパワーもいるし、センスだったり教科の特性をわかっていたりしないと難しいと思うんですが、形があるものを、目の前の子どもたちに対して、やりたいこととすり合わせていくのは得意な先生も多いはずですので、そのように使っていただけたらなと思っています。使う側の想いでどのようにでもできると思います。
面白そうなプログラムもたくさんあり、手軽にスタートできますし、まずは使ってみてほしいです。やってみたら分かります。
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
山本
ありがとうございます。これから他校の先生方にSCCをご紹介する上で、ものすごく重要なことを聞かせていただけた気がします。福嵜先生、貴重なお話をありがとうございました。