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1・3・6年生の授業で
「スコップ・クリエーティブ・コース」
を導入東京 成城学園初等学校【インタビュー】

インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」

「スコップ・クリエーティブ・コース」とは、表面的なトレンドや、バズワードとしての「探究」や「創造」ではなく、予測不可能な時代を生きていくために不可欠なスキルを学ぶプログラム。領域横断型で、いろいろな教科での導入が可能で、各地の私立小学校にも導入いただいています。今回は東京都世田谷区の成城学園初等学校の先生方にインタビュー。導入の経緯、実際の授業をしてみての感想などを伺いました。

プロフィール

プロフィール|インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
小宮山 洋 先生 (成城学園初等学校 教諭)
立教大学を卒業後、東京都公立小学校、都内私立小学校を経て、2017年より成城学園初等学校にて勤務。教員歴17年目。現在3年生の担任。
専門教科は算数。算数教科用図書『令和6年版 たのしい算数(大日本図書)』の著作編集委員、『算数×学級経営 魔法の言葉でもう一歩先の授業・クラスを!(光文書院)』の著作などに携わる。
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長田 柊香 先生 (成城学園初等学校 教諭)
青山学院大学を卒業後、成城学園初等学校に就職。現在、教員7年目。低学年の担任を経験したのち、今年度は3年生の学級担任をしている。
専門教科は国語。「教育サークルKyoso‘s」、「東京・国語教育探究の会」に所属し、『困った場面をズバリ解決!指導術』や『考えの形成を促す 文学の発問・交流モデル』(どちらも明治図書)等の編著に携わる。
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〈聞き手〉 山本 敦之
(育伸社 学校関東営業所)
育伸社で営業一筋20年。
茨城営業所(9年)→仙台営業所(4年)→茨城営業所(2年)→学校関東営業所(5年)→現在に至る。
全国の私立学校を訪問する営業の傍ら、「自立」をテーマにした生徒向け進路講話などを行っている。

成城学園初等学校について

東京都世田谷区にある成城学園初等学校は、1917年に創立された男女共学の私立小学校。約650名の児童が在籍している。「個性の尊重」「自然と親しむ教育」「心情の教育」「科学的研究を基とする教育」の4つの希望理想を掲げている。日本の教育界をけん引するさまざまな研究、取り組みが行われており、児童図書館の開設や学芸会(児童劇)、スキー教室の実施の先駆けとなった小学校である。

【成城学園初等学校】
東京都世田谷区祖師谷3-52-38
https://www.seijogakuen.ed.jp/shoto/

成城学園初等学校の研究テーマが
「探究」。
SCCを活用して、今後に
つながっていく「きっかけ」を作りたかった。

山本 敦之
(以下 山本)
成城学園初等学校さんでは1年生、3年生、6年生にスコップ・クリエイティブ・コース(以下:SCC)を複数プログラム導入いただきました。まずは、導入のきっかけや理由についてお聞かせいただけますか?
小宮山 洋 先生
(以下 小宮山)
私は3年生のクラスで導入をして授業をおこないました。本校は学校全校の研究テーマとして「探究」を掲げています。しかし、個人的には「探究」ってなんだろう?探究学習ってどういうものなんだろうという疑問があり、勉強しているところでした。そこにSCCのお話を聞いて、興味を持ったのがきっかけですね。
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山本
具体的に小宮山先生のクラスでは二つのコース、長田先生には一つのコースを採用いただきました。
小宮山
はい。一つは「ナゾトキをとおして世界の見方を広げよう」でした。嫌いなものが好きになるとか、ものの見方を変えるだけで考えが変わる、といったものを学ぶプログラムです。もう一つは「好きを伝える言葉の魔法」です。好きなものやことをラップにして伝える授業です。3年生でクラス替えになり、学級づくりをしていく上で、今子どもたちに経験させたいことと、今後につながっていくこともあるだろうと思い、このプログラムを選びました。
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長田 柊香 先生
(以下 長田)
私のクラスでは「視点を広げてお芝居をつくろう」というプログラムを授業で扱いました。本校には一般的な教科の他にもさまざまな授業を実施しています。その中に3年生から始まる「劇」という授業があります。その授業を進めていくための、ヒントをもらう意味でもこのプログラムを選びました。

動画を見て事前予習をして
アレンジパートを決められる。
授業では、子どもたちの反応を見ながら、
発展的活用ができるのがSCCの強み。

山本
授業を進めるに当たって、どのような準備をされましたか?
小宮山
丁寧に作られたキットをいただけるので、準備で苦労することはあまりありませんでしたね。事前に授業の動画を見ておいて、どのように授業を進めるかは考えました。動画で見せずに、子どもたちに反応を見てからにしようとか、自分なりにアレンジする部分を決めました。例えば、プログラムの中で「人の意見を否定しないようにしよう」などとルールづくりをしてくださるんですが、ルールがあると子どもたちの活動を狭めてしまうことになると思い、その部分は実際の授業では見せないでこちらから与えないで、子どもたちとのやり取りの中で確認していく、といったところですね。
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山本
長田先生はいかがでしょう?
長田
私も小宮山先生と同じような感じでした。自分のクラスの子どもたちに合わせて活動の時間をもう少しとるなどはしましたが、その程度の調整で済みました。プログラムの中に、身近なものを擬人化し、その性格を考えてお芝居をするというものがありました。動画では書いた台本を読むだけだったんですが、実際の授業では実際に擬人化したものを使って、アテレコするような感じで読んでもらいました。このあたりが工夫した部分でしょうか。
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山本
SCCのプログラムは、現場の先生たちが加工しやすいように作っていますので、ありがたい話です。忙しいからこそ、授業前の予習をできるだけ軽減しながら、しかし、動画をそのまま流せばいいということにもしていません。同じ授業でも学年やクラスによっても時間のかけ方などは変わってくるはずです。そこをうまく汲んでいただいて本当に嬉しいですね。

プログラムを実施した後に、
日常生活の「視点」や「考え方」が変わる。
授業後に、子どもたちが
積極的に変わったのは凄かった!

山本
SCCのプログラムを実施してみて、いかがでしたか?小宮山先生は「探究って何だろう?」の答えは見つかりましたか?
小宮山
未だに自分の中では「これだっ!」という答えはないんですが(笑)。しかし、SCCのプログラムを実施しておしまいではなくて、この授業で学んだ「ものの見方」「物事への考え方」などを、これから子どもたちが同じような場面や日常で活かせているのか、活かそうとしているのかを見ていくのが大事なのかなと思っています。
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山本
実際、そういう姿は見られるようになりましたか?
小宮山
「謎解き」のプログラムの「ものの見方」の変化が見られました。私自身、算数が専門ということもあり、算数の授業では正誤が出ます。でも「間違った考え方や答えが、こうなったら正しくなるとか、こういう場面だったら正しくなるとか、見方を考えると正しいものになる」というように考えられることも大事にしています。
先日の授業で、掛け算の「15×18」を扱いました。この場合、「18」を「10」と「8」に分ければ計算が簡単になるという学習です。「かける数を10と8に分けて考えた」を式にしてみると問うと、子どもたちからは、
(A)15×10×15×8
(B)15×10×8
といった回答が出てくるんですね。結果的にこれは誤りなんですが、話がそこで終わらなかったんです。
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山本
子どもたちから何か反応があったわけですね?
小宮山
はい。(A)の式を「15×10+15×8」にすればできるよね、という話が子どもたちから出てきたんです。はじめは間違った式が、ちょっと変えるだけ(この場合は×を+に変えた)で正解になるんだよ、ということに子どもたちが気づいたんです。間違えた子が間違えたままで終わらない、そんな授業でした。
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
山本
まさに、ものの見方を変えられた瞬間ですね。すごいですね!
小宮山
素敵ですよね。今までも私から子どもたちに「間違えで終わっちゃうの?何か考えられない?」と促すことはありましたけど、子どもたちから自然にこういう話が出てくるのは初めてでした。
山本
長田先生はいかがでしょうか?「劇」の授業のため、というのがきっかけではありましたが。
インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
長田
普段の学級運営で、「相手の立場にたって考える」というのがまだ3年生ということもあってなかなかできないんですね。友達によって態度を変えてしまうとか、先生が変わると授業態度が変わるとか。今回のお芝居のプログラムを経験して、友達との関係でも「自分が嫌じゃなくても、それを嫌に感じる人もいるかもしれない」と想像するなど、相手の立場に立つことの大切さは伝えられました。今後の成長のきっかけになったのではと思っています。
あとはものへの愛着を持つようになったり、それまでは劇の裏方を希望していた子どもが積極的に演じるようになったりといった変化も見られています。
山本
今後の「劇」の授業が楽しみですね。

枠にはめるのではなく、
枠からはみ出て進んでいくのがSCC。
教科横断の学びが大切であり、
そのアイデアをもらえるのもSCC。

山本
改めてSCCの授業を実施してみての感想をお願いします。
小宮山
そもそもSCCのプログラム自体が枠にはめようというものではありません。どうしても、一般的な授業は枠にはめて、その日行き着きたいゴールとか、そこに収めたいというものになってしまいますが、このプログラムは枠からはみ出ていいんだ、その先に進んでいいんだという姿勢を子どもたちに伝えられる授業だったなと思います。
  • インタビュー|スコップ・クリエーティブ・コース|学習塾や学校向けの教材出版会社「育伸社」
長田
私自身は、教科横断の学びが大事だと思います。音楽と国語とか、算数と社会とかを結びつけながら授業ができるといいなと思っています。ただ、教科をクロスオーバーさせて新しいものをつくるのは本当に難しいです。そのアイデアをもらえるのがSCCなんだと思いました。
お芝居のプログラムにしても、お芝居にとどまらず、生き方とか日常に広げていける学びがあると思うので、その点はいろいろな学校で活かせるかなと思います。プログラムもすごく丁寧につくられているので、授業もやりやすいです。動画のなかで授業を進めてくれるので、少し客観的に子どもたちを見ることもできました。
小宮山
子どもたちを叱らずに1時間の授業が進められる(笑)。授業のなかで、子どもたちのいいところをよりたくさん見つけられた気がします。
山本
先生方、貴重なお話をありがとうございました。